その時に会中の者たちは佛の寿命が無量であることを聞き 大いなる功徳を得たのです。 そして釈尊は弥勒菩薩に語られました。 「弥勒よ。私がこの佛の寿命が長遠であることを説く時、 多くの 実に数多くの者たちが仏智に目覚め、阿耨多羅三藐三菩提を得たのです。 そして、縁有る者は仏法を説き始めることでしょう。」 その時、天からは華々が降り注ぎ、周囲には香が満ち、妙なる伎楽が聞こえてきました。 そして、無数の佛土から梵天王が来られて、佛の周囲に高貴な香りを撒かれたのです。 菩薩たちは、七寶に飾られた旗を持ち、詩偈を以って佛を讃えました。 そうして佛の御名は、十方の国々に響き渡ったのです。 釈尊は弥勒菩薩に告げられました。 もし、善き者たちが仏道を求めるが故に、諸の菩薩に供養し、戒を持ち 忍辱・精進・禅定などの行を行い、長きにわたって無上道を極めんとしたとしましょう。 しかし、我が寿命の長遠を聞いて、一念も信解するならば、 その福は、かの行を行う者に過ぐるのです。 善き者たちは、私が未来世までも寿命を持ち、衆生を導くことを聞いた時 良く、この佛語を解して、疑いを生ずることはないでしょう。 弥勒よ。 この経典を良く信奉するならば、 その者は、佛が霊鷲山にあって、諸の菩薩と共に、法を説く様を見るのです。 また、娑婆世界の地が平坦になり、黄金の道が八方へと広がり そこに聳える楼閣の塔に、数多くの菩薩たちがいるのを見ることでしょう。 この経典を聞き、このように観ずるならば、それを、當に深信解の相というのです。 この者は、佛の為に塔寺を建て、僧に供養するまでも無く、 すでに、梵天まで至る、七寶の塔を建て、多くの僧坊を築いて、 僧に供養したことになるのです。 ましてや、この経を持ち、布施・持戒・忍辱・精進・一心・智慧を、 行ずる者の徳は最勝にして量り知れぬものです。 もし、この経を読誦・受持して、他人の為に説き 書写して塔を築き、僧に供養するならば、 また、怒らず、悪口を言わず、自らの奢れる心から遠く離れるならば、 その者は、當に、阿耨多羅三藐三菩提に近づくのです。 この善き者の在る処、そこに塔を建てなさい。 一切の天人が皆、佛塔の如く供養することでしょう。 (妙法蓮華経随喜功徳品第十八へ続く) |