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その時 多寶塔の周りにいた者たちは皆 釈尊に合掌し礼拝して高らかに宣言し たのです。 「世尊、我等は佛 滅度の後もこの大法を供養したいと願います。 そして、全ての仏国土に於いて此の経を説くことを誓います。」 すると釈尊は文殊菩薩を初めとした弟子や在家の者 又 集まった神々の前で大神力を示されました。 十方の諸佛と共に舌を出しては梵天につけ その身の毛孔より無量の光を放って 幾十万年という間 十方の世界を照らされたのです。 舌を摂められると諸佛と共に咳払いをされ、指を鳴らされました。 すると世界は振動し、そこに住むあらゆる神々や人々 生きとし生けるものたちは皆 寶塔の中におられる釈尊と多寶如来 又 周囲におられる菩薩や仏弟子たちを見奉り、 大いに歓喜したのです。 すると十方世界に天の神々の御声が響き渡りました。 「この世界の遙か彼方に娑婆という国があり、 その中に釈迦牟尼という佛がおられます。 その方が今 當に妙法蓮華・教菩薩法・佛所護念と 名づけられる大乗経を説かれておいでです。 皆 喜びを以て釈迦牟尼佛を礼拝し供養を行いなさい。」 この声を聞いた十方世界の者たちは合掌し娑婆世界へ向かって 「南無釈迦牟尼佛、南無釈迦牟尼佛。」 と一心に唱えたのです。 すると釈尊は上行等の菩薩たちに告げられました。 佛の神力とはこのように無量無辺不可思議なものなのです。 しかし、※１嘱累の為の功徳を述べようとするならば これらの神力を以ってしても説き尽くすことはできないでしょう。 要を以て 之を言わば 如来の一切の所有の法 如来の一切の自在の神力 如来の一切の秘要の蔵 如来の一切の甚深の事 皆 此の経に於て宣示顕説す 是の故に汝等如来の滅後に於て 當に一心に受持 読誦し 解説 書写し 説の如く修行すべし そして国土のあらゆる処、 街中であれ 林であれ 山深き処であっても 塔を建てて供養を行いなさい。 當に知るべし 是の処は即ち 是れ道場なり 諸仏 此に於て阿耨多羅三藐三菩提を得 諸仏 此に於て法輪を転じ 諸仏 此に於て般涅槃したもう もし、佛 滅度の後に私が説いた経の因縁及び次第を知って その実の如く説くならば、日や月の光が闇を除くように その者は世にあって人々の心身の闇を除くでありましょう。 それ故に智慧ある者はこの功徳の利を聞いて 此の経を心に持つのです。 是の人は、仏道に於て決定して疑いがあるという事はないでしょう （妙法蓮華経嘱累品第二十二へ続く） |